ヨアンナ・クーリクズーラ
1982年、ポーランド生まれ。パヴェウ・パヴリコフスキ監督作品は、『イリュージョン』(11・未)と『イーダ』(13)に続く出演となる。その他の出演作は、アグニェシュカ・ホランド監督の『バンディット』(09・未)、『あの日 あの時愛の記憶』(11)、マウゴジャータ・シュモフスカ監督の『ジュリエット・ビノシュinラヴァーズ・ダイアリー』(11・未)、『愛の原罪』(13・未)、『ヘンゼル&グレーテル』(13・未)、アンヌ・フォンテーヌ監督の『夜明けの祈り』(16)など。本作でヨーロッパ映画賞女優賞を受賞する。
Director's Comment
ズーラとヴィクトルという二人の人物を描いた物語を撮りたいと思いつつ、ああでもないこうでもないと考えているうちに、何年も経過してしまった。この二人は部分的に私の両親を基にしている。彼らはそれぞれに別のパートナーとくっついたりしながらも、とても激しい関係を結んでいた。それは、ある意味、究極のラブストーリーだった。彼らはどちらも自分をコントロールできず、落ち着いていられない。それなのに、一緒になることが運命づけられているカップルなのだ。
伝記映画は嫌いだ。人生の物語を綴ることなんてできない。そこに因果関係の理屈を押しつけると、とても安っぽい場面やダイアローグの連続になってしまうし、演出もひどく貧相なものになりがちだ。どうしたものかと呻吟した結果、こうした省略的な描き方に行き着いた。やがて、まとめ役となってくれる何かが必要になり、音楽がすべてを統合し、移り変わってゆく人間関係や時間や場所を見極めるのに手を貸す3番目の登場人物となった。